播種準備編では使用する道具や種子の入手先についてお話ししました
ではいよいよ今回は発芽用の用土の作り方から実際の種まきの手順まで一気にお話しします!
発芽用土は育成用土とは別物です
実生をやっていると「用土は何使ってますか?」とよく聞かれます
僕は育成用土に有機メインの保水性と土の栄養を重視した配合を使っているんですが、発芽用の用土にそれを使うのはNGです
有機用土を発芽に使うとカビが大量発生しちゃうので要注意です!
発芽までの期間は高湿度で温度も高めにする必要があるんですが、その環境ってカビも大好きな訳で、カビが繁殖しちゃうので、発芽用土は有機を使わない完全無機用土にしています
僕が使っている発芽用土の構成
育苗トレイに下から順番にこんな感じで入れています

① 底層:軽石
水捌けをよくするために敷いていますが、正直なくても大丈夫かなと思ったり思わなかったり
よく日向土(ひゅうがつち)とどっちが良いのかと聞かれますが、ここで使う軽石は正直何でも良いんじゃないかなと思ってます
日向土と他の軽石についてはまたおいおい話すとして、鉢底に使う軽石ならコスパ重視で良いんじゃないでしょうか

鉢底に使う軽石は育苗トレイの底が見えなくなるぐらい敷き詰めたらオッケーです

② 中層:赤玉土+ゼオライト
ゼオライトは根腐れ防止として混ぜ込んでいて、赤玉土は硬質じゃなくても大丈夫です
上記の写真は安い硬質赤玉で、よく見ると粒にばらつきがあって細かな粒も目立ちますね。これが表土で使えるんです
どうせ遅くても1年くらいで鉢上げしますし、お高い三本線とか優秀な赤玉買うと、粒が揃っているので細かな粒が少なくて表土が作れなくなります
あとこの層にマグァンプもパラパラっと入れます

③ 表土:篩で落とした細かい赤玉
赤玉を篩にかけたときに落ちてくる細かい粒を表土に使っていますが、目が詰まるので微塵はしっかり落としてから使いましょう
細かい赤玉を使う理由は種子と土の接地面積を大きくするためで、接地面積が大きいほど種子の保湿になるし、根も入りやすくなると思います
厚さは大体1cmくらいを目安にしています
カビ対策はベンレート腰水+霧吹き
発芽用土を用意したら、ベンレート水で腰水します
アガベの種子って意外とカビにくいイメージがあって、土を熱殺菌する人もいますが僕はやっていなくて、その代わり発芽するまではベンレート水で腰水して、こまめにベンレート水の霧吹きもしています
カビ菌ってそこら中にあって、土にもとから入っていたものであれば熱殺菌やベンレート水で殺菌することはできますが、空気中にも舞っていたりするので、蓋を開けた時に入り込んでしまったりすることがあります
これに対応するにはやっぱり小まめなベンレート水の霧吹きかなと思っています
↓実生必須アイテムのベンレート

ちなみに僕がカビやすいと思っている種子は「パキポディウム」です。パキポディウムの種子はこれまでに幾度となくカビを見せてくれた種子なので、パキポディウムを播種する時は結構神経使います
ただし、自家採種の新鮮な種子であればそこまでカビを気にすることもなく発芽してくれたりもします。僕の自家採種したパキポディウム・デンシカウレの種子はそこまで殺菌処理を念入りにしてなかったのにカビ0でした
そういった意味でもやっぱり種子の鮮度は大切だということですね
種子がカビてしまったら?
カビ難いと思っているアガベ種子でもやっぱりカビる時はカビちゃう訳で、カビてしまった時の対策は一応覚えておいた方が良いかなと思っています

はい、こちらがアガベ種子に付着したカビさんです。なんとも憎たらしい程に成長しております
この状態を放置してしまうと、カビは急激なスピードで成長して他の種子にも移り、育苗トレイ全体がカビまみれになってしまいます
そこまで放置する人なんて居ないとは思いますが、こんな感じでカビが発生してしまった場合、まずはカビてしまった種子を除去します。カビが発生して間もない場合は復活の可能性もあるので、ベンレート水へ浸水させましょう
次に先ほどまでカビた種子があった場所をベンレート水を霧吹きして殺菌します。これやらないと残ったカビ菌がまた悠々と育苗トレイ内で成長を始めます
なんにしても早期発見が大事なので、見れるときは小まめに種子を観察してあげましょう
播種前に用土をしっかり水で流す
植え替えするときと同じで種を蒔く前に、微塵を落とす為にしっかりと水で流します
育苗トレイの下から茶色い水が流れてくるんですが、これが透明の綺麗な水に変わるまで流してあげます
しっかり流すと言っても勢いよく流してしまうと、せっかく丁寧に構成した層がぐっちゃぐちゃになってしまうので要注意!
それが終わったらベンレート水でしっかり湿らせます
これで種子を蒔く準備は完了です!
アガベ種子を播種しよう!

ついに種子を並べていきます
ピンセットで種子を摘んで土の上に置くんですが、ピンセットにくっついて取れないことがあるので、爪楊枝で優しく落とすとやりやすいです
種子を摘むときに気をつけてほしいのが、尖っている方は摘まないこと
種子の尖った方から根が出るので、そこを傷つけないようにします!潰すと終わります。あとピンセットもあまり先が尖ったものを使うと、浸水して水を蓄えた種子は柔らかくなっているので、刺すと終わります
置くときはなるべく水平になるように置いて、上から軽く押さえて土にしっかり密着させ、間隔はなるべく均等になるように並べると、発芽後の管理がしやすくなります
アガベ種子を置いたあとの手順
種子を並べたらベンレート水をしっかり霧吹きします
トイレットペーパーを被せる場合は、ダブルのトイレットペーパーをペラッと剥がしてシングルの状態にしてから被せます
その後ベンレート水をトイレットペーパーが種子にピッタリくっつくくらいしっかり霧吹きします
前の記事でも少し触れましたが、僕は全体に被せるんじゃなくて、発芽が遅れている種子にだけ被せるようにしています

こんな感じですね
表土を綺麗に保ちたいからという理由と、しっかり種子が表土にくっ付いている状態で、霧吹きも小まめに出来るのであれば、トイレットペーパーはそこまで重要じゃないと思ってます
ただし、実生のプロの方が推奨しているやり方でもあるので是非やってみてください!!
その後は透明な下敷きで蓋をして、腰水の水位が育苗トレイのスリットより上になるようにセットして完了です!
発芽までの環境管理
置き場所はLEDライトの真ん中を避けるか、カーテン越しの光が当たる場所がオススメです。発芽までは強い光は必要ないので、育成には使えないくらい弱い植物育成ライトでも十分です
温度は25〜30度をキープできると発芽率が上がるので、 夜間に温度が下がる場合はシートヒーターを使うのがオススメです
僕はすぐ忘れてしまうので、コンセントタイマーで日中はオフ、夜は自動でオンになるように設定しています
コンセントタイマーは屋内LED管理をより快適にしてくれるので是非!

他にも遠隔操作できるスマートプラグがありますが、僕はアナログ派です
理由は設定したら放置ですし、安いからです
で、過去に3月末にアガベ種子を播種したのですが、当時は日中暖かい日が続いていたので、これならもう播種しても大丈夫だと思ったんですが、1週間経っても10日経っても発芽しなかったので、温度計を置いて1日の温度変化を観察してみることにしました
すると日中は発芽に適した26~30℃を維持していたのですが、夜間になると冷え込み20℃を大きく下回っていることが分かりました
そこで慌ててヒーターマットを導入し夜間だけ加温するようにしたら、ピョコピョコと発芽してくれたので、発芽温度の維持はとても大切だということが分かりました
やっぱりな!って話ですが
発芽したらどうする?
早ければ3日目で発芽します
1週間経っても発芽しない種子は取り出して浸水からやり直してみてください
水の中で発芽する種子もあるので諦めないで!
発芽した芽が蓋に触れてきたり、ある程度の種子が発芽したら、育苗トレイと蓋の間に割り箸などを挟んで少しだけ空気が入るようにします。
いきなり蓋を取ると環境の変化が大きくてストレスになるので、少しずつ蓋を外して湿度を徐々に下げていくのがポイントです
トイレットペーパーは無理に取らなくて大丈夫!
霧吹きで少しずつ溶かしていけば自然に消えていきます
まとめ
• 発芽用土に有機は使わない(カビだらけになる)
• 底に軽石、中層に赤玉土+マグァンプ小粒+ゼオライト、表土に細かい赤玉約1cm
• カビ対策はベンレート腰水+霧吹き
• 種子は尖った方を摘まず、水平に置いて土に密着させる
• トイレットペーパー+透明な下敷きで保湿
• 温度は25〜30度をキープ、夜はシートヒーターで管理
• 発芽しない種子は浸水からやり直し
• 蓋は少しずつ外して湿度を徐々に下げる
次回は【播種編 塊根・ユーフォルビア】として、タッパーを使った播種方法についてお話しします🌱



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